2010年12月2日木曜日

■山の境界標設置




朝から田舎の山の境界標設置をしてきました。
下記の講座そのままのことをしてきました。


森林所有者のための初級講座

所有森林の境界確認


みなさんは、ご自身の所有する森林の境界線やとなりの森林の所有者がどなたか、ご存知でしょうか?森林を管理する上では、境界を確認しておくことはとても 大切な作業となります。曖昧なまま自分の森林だと思って植林したり、木を伐り出したりすると、となりの森林所有者から訴えられたりということにもなりかね ません。
森林の境界は、尾根線や沢筋、巨木や巨岩などを目印に昔から決められていることがあります。古くからの森林の状況に詳しい方がいらっしゃれば、案内してい ただくことが境界を知る一つの手がかりとなります。それが困難であったり、隣接所有者と意見が一致しない場合には、トラブルを起こさないためにも、隣接の方に立ち会っていただいた上で、よく話し合って境界を決定しましょう。
法務局(登記所)の登記簿記載の森林面積が実測値と異なることは、現状ではよくあることです。現在、各地の有名林業地でさえ、不在村森林所有者の増加や森 林所有者の高齢化などによって、境界がよくわからなくなり、効率的な共同施業や林業を行う上で大切な作業道の開設が行えなくなったとの声がよく聞かれてい ます。

森林を管理するためには、境界を知ることが第一歩といえます。

2 境界とは?

●「地番の境」と「所有権の境」
土地は必ず誰かの所有に属しています。このことは連なっている地表が所有者別に人為的に区画されているということになります。そして、この区画は、一区画 ごとに「地番」という記号がつけられています。法律上は、一筆の土地ごとに地番を付するものと定められています(不動産登記法79条)。この地番が最初に 付けられたのは、明治時代のことです。 明治政府は、土地について売買をみとめるとともに、地租についても物納から金納へという改革を行ったのですが、その過程で全国の土地を検査・測量し、人為的区画ごとに所有者を確定しました。
このように区画され地番がついた結果、そこに各区画の境、いいかえれば「地番の境」が生じました。そして、この地番の境は、分筆や合筆登記によって新たに 地番が生まれる以外は、今日まで受け継がれています。つまり、地番と地番の境は、所有の範囲の境と一致するはずですが、現実には一致しないことも多いよう です。

境界というときは、「所有権の境」の意味と、「地番の境」という2つの意味があることになります。法律上の境界という場合は、「地番の境」の方を指します。
●公図は不正確?
この土地の人為的な区画と地番づけは、明治政府の地租改正の過程の中で、役所ではなく庶民の手で検地測量、さらには図面作成が行われました。そして役所は これを検査するという形で、当時の地券台帳というものの附属地図を作成しました。これが現在の法務局(登記所)にある「公図」へと受け継がれています。
しかし、この公図は、あまり信用することができません。というのも、この公図は民間の手で行われた検査・測量・作図がもとになっています。この作図は課税 のためであったので、自分の土地の面積を少な目に申告することが多かったといわれています。さらに当時の測量技術のレベルの低さによる不正確さもあります し、また、地図の作成も大きな範囲を定めてその中を細かく分けていくのではなく、一筆ごとの図を作って、これをつないでいくという方法をとっていたため、 小さな誤差が大きな誤差となるということもあったようです。

3 境界はどこか?

●境界を探す資料
境界を探すためには、次のような資料があります。
・公図
公図は先ほど述べたように、あまり信用することができません。しかし一つの有力な資料であることは事実です。また公図のうちで面積や長さなどのような量的な面はあまり信用できないのですが、境界が直線か曲線かといったような面は信用できるとされています。
・境界標
境界標というのは、境界の目印のために人工的に設置したもので、境界石やコンクリート、金属鋲、ビニール杭などがあります。しかし、どんなものをどのよう に設置すべきかについての法的な取り決めがあるわけではないので、勝手に設置することも多く、必ずしも境界線に一致しているとは言えません。
・実測図など
実測図も一つの資料ですが、一口に実測図といっても、信頼性には大きな差があります。信頼性の高いものとしては、土地区画整理法に基づく確定図や、国土調査法による地積図など、公的なものがあげられます。
・自然の地形
明治当初の境界は、山の尾根、谷、道路、水路、沢、堀などの地形を利用していることが多かったとされています。したがってこれらの地形は資料の一つになることがあり得ますが、こうした自然地形は、長年の間に浸食や工事などにより変化している可能性があります。
・林相、樹齢など
林相の分かれ目が境界である可能性があるでしょうし、樹齢の境目が同じく境界の可能性があり得ます。
 
昔から残されている森林境界。ヒノキが一列に植えられている(宮崎県諸塚村)。
 

尾根上に残された昔の境界の印「寄せ石」。その上に新たに境界杭が打ち込まれている(愛知県東栄町)。


4 境界を確定するには?

●境界を確定する資料
境界を確定するための資料には、次のようなものがあります。
・公図
この公図は、その名前から公に検証、保証された図面で境界も絶対と考えがちですが、先ほども述べたとおり、あまり信用ができません。
・法17条地図
不動産登記法17条では、登記所には「地図」を備えると定めており、この地図は「各筆ノ土地ノ区画及ビ地番ヲ明確ニスルモノ」でなければならない(不動産登記法18条)もので、「法17条地図」と呼ばれています。しかし、現在のところ、この作成はまだほとんどできていません。このため、公図がこの17条地図に準ずる図面として取り扱われています。
・地籍図
公の図面で精度の高いものに「地籍図」があります。これは国土調査の一つとして行われる「地籍調査」によって作成される地図です。「地籍調査」というのは、毎筆の土地について、所有者、地番、地目の調査ならびに境界および地積に関する測量を行って、その結果を地図と簿冊に作成することです(国土調査法2条5項)。
この地図は「写し」が登記所へ送付され、法17条地図として扱われることになるとともに、登記簿上の所有者、地目、地籍などが地籍簿と異なるときは登記簿の記載を変更することとされています。

地租改正時の字限図(あざぎりず)(左)と地籍調査後の正確な地籍図(右)
※字限図は、「公図」として登記所に備えられているが、不正確な場合が多い。
地方によって、切図、分間図ともいう。
・実測図など以上のほか、実測図や住宅地図、航空測量図などがあります。

5 境界トラブルを防ぐ

 ●境界標を設置しよう!時の経過によって境界が分からなくならないように、はっきりとした境界標を設置すること、しかも、長年の風雪に耐え得るような、耐 久性のあるものを設置します。また、隣接地の所有者が変わった場合には、両者立ち会いのもと、境界標ならびに境界を確認しておくことも必要でしょう。
 
地籍調査の際に使用されているプラスチックの境界杭。
頭が黄色で、赤色の測量杭と区別されている(宮崎県諸塚村)。
●境界協定書
境界が分からないときに、双方の話し合いによって境界を決める場合があります。一般に「境界協定書」という書面を作ることによって行います。
《トピックス》
境界確認の際に所有者間で認識の違いがあった場合、愛知県のある森林組合では、(1)該当地区の古くからの有力所有者に判断を委ね、説得してもらう、(2)境界に掛かる問題木が6本なら、3本ずつでラインを決める、(3)問題木を切ってしまって材価を折半するなどの方法で解決し、大きなトラブルはないそうです。
また、徳島県のある森林組合の担当者から、「境界の複雑なところは、真っ直ぐに分かりやすくしてしまったり、小さい筆は残さないように、所有者同士で譲り合っています。後々の相続や分筆の際にもめないように、お互い協力し合っているんです」という話を聞きました。
●境界確定の訴え
境界が分からず争いになったときは、裁判所に定めてもらうより仕方ありません。「境界確定の訴え」により、裁判所がまず客観的な境界の発見につとめますが、どうしても分からないときでも、「公平の原則」などによって必ずどこかに定めます。
●管理を怠らないように
境界をこえて他人、ことに隣接所有者がこちらの土地を占領したり利用したりすることを放置してはなりません。時効取得されてしまう虞れのほか、境界があいまいになり、長年の占有状況を資料に境界自体が占有の境のところに認定されてしまう可能性もあります。このような場合には、はっきりと異議を述べ、それでも応じなければきちんとした法的手段をとるべきでしょう。 
  
境界杭設置後も放置しておくと、藪が茂り、杭の場所がわからなくなってしまう。定期的に境界踏査を行い、杭の周辺を刈り払い、見通しをよくしておく必要がある。
写真は福島県椎木山林共有会による境界踏査のようす。
   
継続的に境界管理を行っている森林所有者。「境木」にマーキングを施す。持ち山に向かって樹皮を薄く削り、墨で、調査年と屋号を書き込んでいる。薄くなれば、上か下を削り、書き込む(愛知県東栄町)。
   
境界木へのマーキング。中央の数字は境界確認が行われた日付、「○にや」は所有者の屋号。「○に森」は森林組合を示す「境界木マーカースタンプ」(三重県中勢森林組合)。
参考資料:21世紀の地域森林管理(志賀和人編著)/(社)全国林業改良普及協会
《トピックス》
地域の森林組合によっては、都市部に暮らす不在村森林所有者のために、森林施業の受託などの相談に乗ってくれる「ふるさと森林会議」を開催したり、所有者に代わって山林の見回りや境界の巡視、施業計画の立案などを行ってくれる場合があります。
山林を所有している地域の市町村の農林課、都道府県の農林事務所や森林組合などに相談してみましょう。解決の糸口が見つかるかもしれません。
   


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