四国八十八ケ所・空海のことば刻字奉納
石井 護
この3月の末、電話が届きました。「石井さん、いよいよ4月の初めから奉納作品の展示が始まりますよ! 大きさは2,2m×2,2mの大きな展示台で隣には東寺の模型があるところですよ」電話の主は、香川県さぬき市「お遍路交流サロン」の木村館長さんでした。サロンは第87番札所と最後の第88番札所の間にあり、昔からのお遍路に関わる資料をたくさん集めて展示している唯一の展示場です。
かねてから四国お遍路にあこがれていましたが、現役ではなかなか時間がとれません。そこで3年間にわたる全体構想を策定しスタートしたのは2007年5月でした。
初年度はバーチャルお遍路とし、①一日一寺のウオーキングをする。近いお寺は朝だけで、少し遠ければ朝、昼、夕方と。もっと遠いところは三日間もかけてと。ウオーキングに並行して②目標のお寺の由緒やいわれを探り、お寺にふさわしいことばを、弘法大師・空海の書から探す。③お寺ごとに奉納札を彫る。ヒバ材の表にお寺の名前、裏に空海の書の四字熟語を彫ります。④次には、お遍路のあらましをブログに掲載します。ことばも私の納得した解説をしています。以上が第一期のお遍路です。
仕事も終わって2009年5月にやっと四国に行くことができました。⑤約2週間のバスのお遍路でした、目的はもちろんお遍路ですが、併せて制作した奉納札が、本当にそのお寺のいわれや由緒と合致していたかどうかを確認し、写真を撮ることでした。お遍路転がしの焼山寺やタヌキの志度寺などが印象的でした。四国から帰って⑥現地で確認して不都合な何カ所かは手直しし、⑦最終版として、すべてのお寺について見直して、改めてブログに書き込みました。⑧四国のお遍路交流サロン木村館長さんと連絡をとり、一式を送ったのが、今年2010年の1月でした。
この三年間の目標設定がコツコツと一つづつ達成されていくことがなにより楽しく、また生きるエネルギーが湧いてくる日々でした。ブログは「手彫り刻字 巡堂工房」で検索出来ます。
奉納札作品の一例として、表「四番 大日寺」裏「一佛浄土」は別途に作品として掲載いただきます。
今年中には家族で四国を訪れ展示されたものと対面したいと考えております。世の中が厳しくなったことに比例して、四国お遍路がブームとなっています。皆様もどうぞおでかけください。そして縁がありましたら、お遍路交流サロンにもお立ちよりください。四国お遍路は心が洗われ生きる勇気が湧いてきますよ。
作品例
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