2010年3月2日火曜日

■尊徳さんの「大自然の教え」

巡堂工房の刻字作品で二宮尊徳さんの歌を彫りました。大自然の教えを詠んだ「音もなく香もなく天地は 書かざる経を 繰り返しつつ」です。
1、大自然の教え
この世の普遍の真理、つまり「まことの道=誠」の道というのは、とくに学ばなくても自然に知り、習わなくても自然に覚えるものさ。
科書もなく、記録もなく、教える人もいない。それでいて人々は自然のうちにこれを自ら悟って忘れることがないもんだ。これがまことの道の実態なのだ。
たとえば」、喉がかわけば誰に教わらなくても水を飲み、腹がへれば食べ、疲れれば眠り、目がさめれば起きるじゃないか。
二宮尊徳


2、作品「音もなく香もなく・・・」

「音もなく香もなく天地は 書かざる経を 繰り返しつつ」
歌:二宮尊徳
材料:ケヤキ
記録もなく、書物もなく、学ばず、習わず、それでいてはっきりした道でなければ「まこと」道とはいえないものさ。














3、書物には書いた人の癖が
この世には、人の道を説いた書物が数え切れないほど出ているが、一つとして癖のない完全なものはない。
これは、釈迦も孔子もみな人間だからなんだ。儒学の四書五経だって、仏教のお経だって、みんな人間が書いたものだから、描いた人の癖が出てしまうんだ。




4、永久不変なもの
















元来、この世でヨコに最も平らなものは水面で、縦にもっとも垂直なのは下げ針なんだ。このように永久不変なものがあるからこそ、地球の測量もできるわけで、これがなくては測量のしようがないんだ。
天は何も言わないが、四季はめぐって万物は生育する。これはだれも書いたり、言ったりはしないが、深い深い教えなんだよ。コメを蒔けばコメが生え、麦を蒔けば麦が実というようなことも、昔も今も永久に変わることのない大自然の真のあり方なんだ。自然は嘘をつかな。これが天の誠というもんだ。
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