木質バイオマスのエネルギー利用技術体系は、われわれの範囲でのは、3分類を考えればよいかと思います。①直接燃焼 ②チップ化してエタノール ③固形燃料(ペレット)です。
■木質バイオマス
(・林地残材 ・建設廃材 ・製材廃材 ・用地伐採木)
①直接燃焼・・・熱利用(ストーブ、ボイラー)・・・実用化
②チップ化・・・ガス化・・・エタノール(運輸燃料)・・・実証実験段階
(秋田県でも経済産業省の地域コンソーシアム事業として研究段階)
③固形燃料化(ペレット等)・・・直接燃焼・・・熱利用(ペレットストーブ、ボイラー)・・・実用化
木質バイオフーラム2007・1・26盛岡市:森林総合研究所 バイオマス科学 大原誠資氏より
バイオエタノールに関して述べたい。木材はセルロースとヘミセルロースとリグニンからできている。 エタノールを製造するにはセルロースとヘミセルロースを糖化・発酵させる。しかし31%(スギの場合)を占めるリグニンからは製造できないことが問題点であるが、逆に、このリグニンの付加価値を高める手段も考えられる。
①セルロース・・・52% ・・・エタノール
②ヘミセルロース・・・17% ・・・エタノール
③リグニン・・・31%・・・リグニンからは製造できない
今の日本では、発生量でみれば林地残材の未利用率が高く、少しでもこれを上げることが森林総研の計画にも掲げられている。エタノール製造コスト低減には、低コストなバイオマス収集・運搬システムの開発や路網の整備といった施策研究が大きな課題になっている。
技術的にはリグニンを除くための最適な前処理には
①蒸煮爆砕前処理酵素分解法、
②オゾン前処理酵素分解法、
③超臨界・亜臨界水による加水分解法 がある。
木質の場合、エネルギー利用は最後と考えたほうがよい。エタノール化できないリグニンのマテリアル利用もある。リグニンはバイオプラスチックやエタノール化の燃料にもなるので、さらに効率化を図る研究も進められている。
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