1、龍安寺#25 2010.4.18朝日テレビ
写真は別途
古都京都の文化財として世界遺産にも登録されている、臨済宗の禅寺“龍安寺”。室町時代の1450年、時の守護大名、細川勝元によって創建された。
現存する最も古い建物は、1606年に建てられた“方丈(ほうじょう)”、いわゆる本堂だ。その手前に、観る者を幻想的な世界にいざなう石庭が広がる。一見無造作に石を配置したかのような石庭は、水を用いることなく、石と砂のみを使い、清冽な水景色を表現した枯山水。簡素を極めたその姿は、まさに東洋的神秘といえる。そして、この神秘の庭と、名画「モナ・リザ」が見えない糸で結ばれていたというのだ・・・。
石庭の広さは75坪。25メートルプールとほぼ同じ大きさ。しかし実際より広く見える。それはなぜか?その謎を解く鍵の1つは、庭を囲む油土塀(あぶらどべい)。庭の奥に行くほど塀の高さが低くなっており、その高低差は最大50センチ。手前側は高く、奥は低くするというトリックによる目の錯覚で、庭は実際より広く見えるのだ。しかも、それだけではない。無造作に置かれたように見える15個の石。その中で最も大きいのは東側の入り口付近に置かれたもの。次に大きいのが方丈から見て一番手前に置かれた石。庭を見る人に近い石を大きくすることで遠近感を強調しているのだ。さらに、手前に置かれた大きな石は赤みがかっていて、奥のほうの石は、青みがかったように見える。赤は膨張色、青は収縮色という色の特性から、手前に置かれた大きな石はより大きく見え、遠くの石はより遠くに見えるという。
そして、この特性を巧みに利用した名画があの「モナ・リザ」。モナ・リザの肌は赤みがかっており、背景の山は青く霞んでいる。ダ・ヴィンチは色の効果を利用して、絵の中に驚くべき奥行きを表現していのだ。
わずか75坪の石庭が実際より広く見える理由は、見る者の錯覚を巧みに利用した仕掛けにあった。そして、それはモナ・リザとも共通する高度な遠近法だったのだ。
さらに龍安寺の石庭には、古来最も美しいバランスであるとされる黄金比の原理が採用されていた。黄金比とは、1対1.618の比率のこと。エジプトのピラミッドやギリシャのパルテノン神殿が独特の安定感を持ち、我々に美しさを感じさせるのは黄金比を計算して建てられているためだ。
古都京都の文化財として世界遺産にも登録されている、臨済宗の禅寺“龍安寺”。室町時代の1450年、時の守護大名、細川勝元によって創建された。
現存する最も古い建物は、1606年に建てられた“方丈(ほうじょう)”、いわゆる本堂だ。その手前に、観る者を幻想的な世界にいざなう石庭が広がる。一見無造作に石を配置したかのような石庭は、水を用いることなく、石と砂のみを使い、清冽な水景色を表現した枯山水。簡素を極めたその姿は、まさに東洋的神秘といえる。そして、この神秘の庭と、名画「モナ・リザ」が見えない糸で結ばれていたというのだ・・・。
石庭の広さは75坪。25メートルプールとほぼ同じ大きさ。しかし実際より広く見える。それはなぜか?その謎を解く鍵の1つは、庭を囲む油土塀(あぶらどべい)。庭の奥に行くほど塀の高さが低くなっており、その高低差は最大50センチ。手前側は高く、奥は低くするというトリックによる目の錯覚で、庭は実際より広く見えるのだ。しかも、それだけではない。無造作に置かれたように見える15個の石。その中で最も大きいのは東側の入り口付近に置かれたもの。次に大きいのが方丈から見て一番手前に置かれた石。庭を見る人に近い石を大きくすることで遠近感を強調しているのだ。さらに、手前に置かれた大きな石は赤みがかっていて、奥のほうの石は、青みがかったように見える。赤は膨張色、青は収縮色という色の特性から、手前に置かれた大きな石はより大きく見え、遠くの石はより遠くに見えるという。
そして、この特性を巧みに利用した名画があの「モナ・リザ」。モナ・リザの肌は赤みがかっており、背景の山は青く霞んでいる。ダ・ヴィンチは色の効果を利用して、絵の中に驚くべき奥行きを表現していのだ。
わずか75坪の石庭が実際より広く見える理由は、見る者の錯覚を巧みに利用した仕掛けにあった。そして、それはモナ・リザとも共通する高度な遠近法だったのだ。
さらに龍安寺の石庭には、古来最も美しいバランスであるとされる黄金比の原理が採用されていた。黄金比とは、1対1.618の比率のこと。エジプトのピラミッドやギリシャのパルテノン神殿が独特の安定感を持ち、我々に美しさを感じさせるのは黄金比を計算して建てられているためだ。
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