2010年2月5日金曜日

■再建は天照大神のやり方で

二宮尊徳翁の栃木県桜町再建の方法は、天照大神の足跡をみた方法でした。


1、桜町の再建の命を受けた

壮年のとき小田原候の命を受けて、下野国物井(そもつけのくにものい)(栃木県桜町)にきた。ここは人民が離散し土地は荒れ果て、どうしようもない」ところだった。



2、床の間に「不動尊」
ワシは床の間に不動尊の像をかけて、不動心を固く護ことにした。
それは、この場所で成功してもしなくても、とにかくここを動くまいと心に決めた。たとえ」事故が起き、背中に火が燃えつくようになっても、決してここを動くまいと死をもって誓った。



3、天照大神のやり方で



古道(ふるみち)に
積もる木の葉を
かきわけて
天照らす神の
足跡を見ん


ケヤキに彫ったものです
70*350*20

二宮翁夜話より







さて、この桜町にきてどう再建しようかと考えぬいたが、日本という国ができた開闢のその昔、よその国から資本を借りて日本という国を開拓したのではなく、日本の自力で開いたに相違ないことに気がついた。

そこで小田原の本藩からの交付金はお断りし、近郷の金持ちにも借金を頼まず、この桜町四千石の土地以外は、すべて外国だとみなして、ワシは神代の昔に未開地の日本に降り立ったんだと決心した。
そしてこの国は自力で開くことこそ天照大神のやり方であると思い定め、一途に開闢以来の大道によって努力したんだ。

つまり、開国の昔、未開地に一人だけで天降ったんだと覚悟を決めてしまえば、川の流れで見を清めたように、実に綺麗さっぱりとしたもんである。


4、覚悟こそ事をなすの根本

何事をするにも、この覚悟をきめさえすれば、人を頼ろうとする気も起こらず、びくびくしたり、欲ばったりする心も湧いてこず、何を見ても羨ましいなどと思わない。このように心の中が清浄であるから、願うことは成就しないということが内容になるものさ。
この覚悟こそ、ことをなすの根本であり、ワシの悟道の極意なんだよ。
覚悟さえ決まれば、衰えた村を立て直すことも、つぶれた家を興すのも、いとやさしいことなんだな。
大事なのはただこの覚悟だけなんだ。

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(はりつけ)

下野国と二宮尊徳

桜町陣屋跡の写真
桜町領・茂木領・烏山藩などで農村再興に成功した尊徳は、1853年に日光御神領再興を命じられ、仕法の実践にあたったが、1856年今市で没した。
尊徳の説いた「報徳仕法」とは、全ての階層の誰もが誠実に努力を積み重ねれば報われるという実践的な仕法であったことから、勤労を尊ぶ国民性と相まって、今日に至るまで多くの人たちによって継承・実践されてきた。
県内には真岡市の桜町陣屋跡、今市市の尊徳の眠る如来寺、報徳文庫などの他、各地に「二宮掘」などの尊徳の足跡が残されている。

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