フェースブックが日本語サービスを開始、「実名でこそ利点がある」
「実名でのユーザー登録がフェースブックの価値であり常識。実名だからこそ自分の情報が他の利用者から信頼されるし、自分も正しい情報にたどり着ける」。世界第2位の利用者数を誇るSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を運営する米フェースブックのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は2008年5月19日、来日会見でこう説明した(写真)。
フェースブックは2004年にサービスを開始したSNSで、アクティブな利用者は約7000万人。1億人超で第1位の米マイスペースに次ぐ規模を持つ。米マイクロソフトが2007年10月に2億4000万ドルを出資すると発表したことでも有名だ。創業者であるザッカーバーグCEOは日本語版サービスの開始に合わせて来日した。
フェースブックの特徴は2つある。1つは利用者の「実名主義」を推奨していることだ。フェースブックは元々、ザッカーバーグCEOが大学時代に友人や家族との情報交換をするために開発したサービスであり、「現実世界での社交関係をデジタル世界で再現したもの。現実に付き合いのある利用者がコミュニケーションするために利用する」(同)。例えばザッカーバーグ氏自身は、自分の実名や顔写真はもちろん、携帯電話の番号をフェースブック上の友人に公開しているという。そもそも自分を知っている人同士が、オンラインでつながるためのサービスだから、携帯電話番号も問題なしというわけだ。
登録した利用者の情報は、利用者自身がコントロールできる。「公開する情報の種類や公開する相手を、事細かに設定できる。だから安全で信頼のできるコミュニケーションをとってもらえる」(ザッカーバーグCEO)。マイスペースや日本最大のSNSであるミクシィなどは仮名での利用者登録が少なくない。「実名で登録した方が利用者自身に利点が多い。匿名で利用者登録しても情報を信じてもらえず、いずれネットワークから外れていくだろう」。ザッカーバーグCEOは、こう話す。
フェースブックのもう1つの特徴は、利用できるアプリケーションの豊富さだ。現在のアプリケーション数は2万を超え、毎日140種類のペースで増え続けているという。内容は写真や動画の共有、イベントの検索、ゲームといったものから、企業向けの情報共有アプリケーションもあるという。
同社は機能拡張用のAPIを2007年5月に公開。利用者自身がフェースブックの機能を容易に拡張できるようにした。この「プラットフォーム戦略」がフェースブックを世界第2位のSNSに押し上げる原動力となった。現在ではマイスペースも追随して、APIを公開している。
サービスの国際化を担当するハビエル・オリバン インターナショナル マネージャーは「日本の開発者は優秀。ニーズを吸い上げて、日本の実情にあったアプリケーションを開発できるよう環境を整えていきたい」と抱負を語った。
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