鹿島の「要石」(かなめいし)と「大日本国地震之図」とは何のことでしょうか・・・
1,大日本国地震之図
寛永元年(1624)と書かれた地図である。
日本のまわりを巨大な龍体が取り巻いている。鹿のような角や鯰のような髭をはやし、
口には鋭い歯が並んでいる。顔面・頭部は龍そのものだ。
この龍は「ひたち(常陸)」の真上で自らの尻尾をくわえており、円環をなしている。
尻尾の先端は剣となっており、頭部には剣が突っ立っていて、
そこに「かなめ(要)石」と書かれている。
2,要石の3要件
【第一要件:金輪際(地下最深部)から生え出た柱】
仏教の宇宙観による大地の最も深いところまで達している長大な柱のこと。
•1366年(貞治五)成立の『詞林采葉集(しりんさいようしゅう)』は、『万葉集』の注釈書で滝沢遊行寺の僧由阿(ゆうあ)の著書、その巻五に次のような記述がある。
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•およそ我が朝をば藤根の国と申すとか。これ即ち鹿島の明神が、金輪際から生え出した御座(みまし)の石の柱であり、第二に、その石によって(日本国)は繋ぎとめられたと申すゆえなのである。
3,第二要件
【第二要件:大鯰・龍・大蛇との関連】
•大日本国地震の図(1624年・個人蔵)
(尻尾を噛んでいる頭部を要石で貫かれている龍の姿)
4,第三要件
【第三要件:地震との関係】
•鹿島の要石の歌
揺るぐともよもや抜けじと要石の 鹿島の神のあらん限りは
•1377年(永和三)に成立した了誉聖冏(りょうよしょうげい)の『鹿島問答』に
動杭(ユルグクイ)ヌケセヌト云フ事モ、当社ニアリ。
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揺らぐとも抜けないというのが地震との関係を示す。
(黒田日出男著 『龍の住む日本』より
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